カテナチオ(1970年版)
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 カテナチオ(1970年版)
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鍵を開けると、そこには死闘が待っていた

1970年において、イタリア代表が採用した5-3-2フォーメーションについての想定予想です。

モデルの想定・その他のケース

ゲーム中の「カテナチオ」を旧無料版では「イタリア1970」と名づけられていた時期もあり、又、1970年のイタリア代表が5-3-2であることから1970年のイタリア代表をモデルにした場合の想定予想をしています。

左図は、1970年メキシコW杯決勝vsブラジル戦におけるイタリア代表のスターティングメンバーです。

伝統の「カテナチオ」を体現する5バックに加えて、ゲームメーカーであるマッツォーラをディ・システィとドメンギーニのディフェンシブハーフ2人が援護するような形を取っており、水際における守備力はかなり高いものがあります。

得点源は、セリエAで3回得点王を取ったルイジ・リーヴァの決定力。
カウンターからマッツォーラや左サイドバックのファケッティのオーバーラップからラストパスが供給され、ゴール前で待ち構えるリーヴァとボニンセーニャがフィニッシュするという、典型的なカウンターサッカー用の布陣です。

ちなみに、控えのOHにジャンニ・リベラという1969年のバロンドール受賞者がいたりしますが、代表でのポジション争いではマッツォーラにスタメンを奪われています。

なお、この布陣でキーマンを想定するなら、OH(マッツォーラ)、LSB(ファケッティ)、LFW(リーヴァ)になるんじゃないかなあ・・・そういう意味では、1982年版の方がしっくりくるので、こちらの想定予想はひょっとしたら程度の代物と思ってください。

1970年当時のイタリア代表

監督は、フェルッティオ・バルカレッジ。代表監督就任就任3年目の1968年欧州選手権を優勝し、高い評価を得ていた監督です。
バルカレッジ監督は、最終的に1974年のW杯までの9年間イタリア代表監督を務めることになります。

メキシコW杯の欧州予選を苦もなく突破し、W杯本選はウルグアイ、イスラエル、スウェーデンと比較的楽なグループリーグ第二組に入ります。

この第二組を1勝2分で1位突破。ちなみに、スウェーデンに1-0、ウルグアイに0-0、イスラエルに0-0という、カテナチオっぷりを遺憾なく発揮。
明らかな格下であるイスラエル相手に0-0という結果は褒められた物ではないように思えますが、標高2667mのトルーカという都市が試合会場に割り振られていたため、出来る限り体力を温存するような省エネ的な戦いを行った事と引き分けで終われば予選突破という状況だったため、かなり手を抜いて戦っていたとされています。

準々決勝は、決勝Tに入ったからかフルスロットル全開。地元メキシコを4−1で粉砕し準決勝へ。

迎えた準決勝はベッケンバウアーを中心とした欧州のライバル西ドイツ戦。この試合は後に「アステカの死闘」とか「世紀の試合」とか呼ばれる名勝負となります。

前半早々に先制したイタリアがそのまま逃げ切るかに見えた、後半ロスタイム。4度目のW杯出場になる西ドイツの大ベテランであるシュネリンガーが執念の同点ゴールを上げ延長戦へ。

その延長戦。西ドイツは交代枠を全て使い切っていたのにベッケバウアーが肩を脱臼してしまい、テーピングで腕を固定するという凄まじさ。イタリアもカタナチオの看板を下ろすかのような攻撃的なサッカーを展開、勝ち越したと思ったら直ぐ追いつかれるという展開になります。
最後は途中出場のリベラが決勝点を上げて4−3でイタリアが決勝に進出。

しかし、この準決勝での消耗は激しかったのか、決勝のブラジル戦は良いところなく1−4で完敗してしまいました。

ちなみに、この1970年のメキシコW杯のベストイレブン。準優勝のイタリアからは1人も選ばれなかったという珍事が発生していたりします。
グループリーグでの省エネ戦法の印象が悪かったらしく、圧倒的な強さで優勝したブラジルやグループリーグでそのブラジル相手にヒケを取らない戦いをしたイングランドと、やはりグループリーグで圧倒的な強さ示した西ドイツから11人が選ばれたのでした。



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