ファンタスティック4
2015-2016年シーズンにおいて、ドイツのボルシア・ドルトムントが採用した4-1-4-1フォーメーションについての想定予想です。
モデルの想定・その他のケース
左図は、2015-2016年シーズン当時のボルシア・ドルトムントについて想定予想のスターティングメンバーです。
FWの1トップにはオーバメヤン。30m走のタイムがウサイン・ボルトのタイムを越えていたため、「世界最速のサッカー選手」という異名を持つ高速ストライカーです。当然、そのスピードを活かし、縦に切り裂く動きをしつつ、ウイングが中へ切り込むのをサポートするためにクロスでデコイランする事も厭いません。
左ウイングのロイス、右ウイングのムヒタリアンは共に、スピードに優れており、中に切れ込んで得点もできるタイプ。ムヒタリアンは、むしろ常に中に切り込みたがるタイプでもあります。
インサイドハーフの1人でもある香川と前述の3人を合わせて「ファンタスティック4(夢のような4人)」と称し、この4人で得点の大半を挙げます。
もう1人のインサイドハーフであるギュンドアンと、アンカーに抜擢されたヴァイグルが中盤の守備を主に受け持ち、カウンターの起点にもなります。
右サイドバックのギンターは、元々センターバックの選手ですが、「ボランチとセンターバックの中間くらい」の位置から、抜群のタイミングで攻め上がり正確なクロスを上げつつ、守備の苦手なムヒタリアンのバックアップ無しで、右サイドのケアを一人で受け持つほどの万能選手。
左サイドバックは、攻めあがるの大好きシュメルツァー。こちらはロイスと連携しながらスピードに乗って前がかり気味。
CBのフンメルスはドルトムントのキャプテンで、守備の大黒柱。 マインツ時代の岡崎に「対人が強い嫌なDF」として名指しされたパパスタソプーロスの2人で中央を固めます。
GKは、前シーズンまで長い事正GKを務めていたヴァイデンフェラーに代わって2015-16シーズンからセービング能力の高いビュルキがリーグ戦およびDBFでのレギュラーとなります。 ヴァイデンフェラーは前シーズンのチームの不振の戦犯ともいわれたくらい調子を落として(年齢的な物?)おりますが、長年のキャリアに敬意を表してかELではレギュラーGKを務めていました。
2015-2016年当時のボルシア・ドルトムント
監督は、ドイツ人のトーマス・トゥヘル。 現役時代はぱっとせず、怪我もあり24歳の若さで引退。大学に通い、アルバイトしながらサッカー指導者の道を目指しています。
当初は、ユースやアンダー年代の育成指導者として実績を積んでいたところ、2009年シーズン開幕直前に、マインツで過激な言動を忌避された前監督が解任。後任として、前年にU-19チームを欧州王者に導いたトゥヘルが急きょ、抜擢されたのでした。
そして、いきなり開幕から7連勝。そのユニークな指導方法も話題になり、一躍、ドイツきっての若き知将として名をはせる事になりました。
マインツを5年間率いて1年の充電期間後に、名将クロップの辞任を受けて、2015-16年シーズンよりドルトムントの監督に就任します。
前任者が残したメンバーの大半が残ったため、戦術的には「ゲーゲンプレス」の高速カウンターを用いる一方、「ファンタスティック4」と呼ばれる4人の攻撃的なアタッカーに自由を与えて、高い攻撃力を発揮させることに成功しています。
5月上旬時点で、ヨーロッパリーグはプレミア2位のトットナムなどを撃破して8強まで進出し、準々決勝でリバプールに敗れています。 また、ブンデスリーガではバイエルン・ミュンヘンに勝ち点6差ながら3位以下には大きな差をつけて2位。DBF杯は決勝まで進出しており、タイトル獲得の目も残しています。
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