白ヤギさんのパスサッカー
2003-2004年シーズンにおいて、スペインのヴァレンシアCFが採用した4-5-1フォーメーションについての想定予想です。
モデルの想定・その他のケース
左図は、2003-2004年当時のヴァレンシアCFについて想定予想のスターティングメンバーです。 リーガエスパニョーラ第27節のデポルティボ・ラコルーニャ戦や、UEFAカップの2回戦vsマッカビ・ハイファ戦の2ndレグなどで確認されている布陣でもあります。
このチームの特徴は、ボール奪取能力の高い選手が揃う守備陣から、中盤でショートパスを多用しながらボール回ししつつ、中央のアイマールから、左サイドハーフのビセンテやFWのミスタにラストパスを出すというスタイルにあります。
ダブルボランチの一角であるバラハのミドルシュートや、左サイドでボールを受けたビセンテの中への切り込み、ミスタのストライカー能力の高さがあいまって、堅守カウンターのチームにしては攻撃方法が多様であったことも、このチームの特徴といえるかもしれません。
2003-2004年当時のヴァレンシアCF
監督は、就任1年目にいきなりヴァレンシアを31年ぶりのリーガ制覇に導き、2003-2004年シーズンが3年目になるラファエル・ベニテス。カウンターをベースにしながらもショートパスを多用するなど、攻守にメリハリを利かせるチームを作ることを好んでいる監督です。
このチームの懸案事項は、絶対的なストライカーが不在であったことで、2年前に優勝したときは、ボランチのバラハが7ゴールででチーム得点王、前年も左サイドバックのアウレリオが8ゴールでチーム得点王と、堅守カウンターをベースにしていたとはいえ、あまりにお粗末なアタッカー陣が悩みの種だったといえます。
そんな中、ようやく待望のエースストライカーが出てきたのが2003-2004年シーズン。この年、ミスタが19ゴールを上げる大活躍を見せます。 これでチーム全体も活気づいたか、ビセンテが12ゴールするなど、全体的に得点力がアップし、終わってみれば、リーガで優勝+UEFAカップも優勝とかなりの好結果を残しました。
なお、ベニテス監督は二冠を達成したにも関わらず、フロントとの確執から2003-2004シーズン終了後に辞任してしまいます。 「ソファを頼んだら、ランプスタンドが送られてくる」という名言を残して・・・
また、覚醒したと思われたミスタは、この年以降、またシーズン得点が2桁いかないような頼りないストライカーに戻ってしまい、2010年に引退するまで再ブレークできないまま終わってしまいました。
このシーズンのヴァレンシアの優勝は、2013-14年シーズンにアトレティコ・マドリードが優勝するまで、レアル・マドリードとバルセロナ以外のチームがリーガで優勝した最後の例でした。ヴァレンシアはその後リーガで3位には入れるものの、レアル・マドリードとバルセロナを凌駕することはできなくなり、年々、この2チームとの戦力差が広がっていく一方となってしまってます。
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