無敵の銃士たち
2003-2004シーズンにおいて、イングランドのFCアーセナルが採用した4-4-2フォーメーションについての想定予想です。
モデルの想定・その他のケース
左図は、チャレンジマッチで採用されたメンバーになります。
ヴィエラが怪我して離脱していた頃はエドゥー、RWHのリュングベリのところにはビルトール、キャンベルの相棒CBにトゥーレ以外だとキーオンやシガンなどが入ることもあり、組み合わせ的には色々な選手が使われていますが、システムは一貫してフラットな4-4-2で年間戦っております。
2トップは左寄りでスピードタイプのアンリが得点源。得点力こそ往時に比べて衰えていましたが、巧みなボールさばきでゴール前を脅かすベルカンプが1.5列目に位置取ります。
フラットな中盤は、フィジカルに強い守備的ながらもゲームコントロールもできるセンターハーフ2人に、サイドから切り込んだりクロスを上げる両サイドハーフという、典型的なプレミアリーグの中盤スタイル。
4バックも同様にラインを高めにとり、中盤との連携を密にし守備ブロックを作ってゾーンで対応するスタイル。 センターバックの2人は当たりに強くかつ、裏を狙われた時には素早く戻れるスピードの両方を兼ね備えた2人で、サイドバックも攻守に切り替えの早いタイプの2人です。
最後の砦は、ドイツのレーマン。長年ガンナーズ(アーセナルの愛称)のゴールを守ってきたシーマン退団後に正GK候補として加入し見事に活躍。この活躍からドイツ代表でもカーンから正GKのポジションを奪取することに成功するなど、脂の乗り切った時代を過ごしていました。
2003-2004シーズン当時のFCアーセナル
アーセン・ベンゲル監督が、他チームから引き抜いてきた若手を育てて、ショートパスを多用した華麗で攻撃的なチームとしてガンナーズをプレミアリーグの強豪に仕立て上げました。
その集大成とも言えるシーズンが2003-2004シーズンで、この年、プレミアリーグを26勝12分0敗、つまり1度も負けることなく優勝するという偉業を成し遂げ、その強さは「ザ・インビジブル(無敵チーム)」とも名づけられたものでした。
アーセン・ベンゲル
かつて、Jリーグの名古屋グランパスで監督を務めたこともあり、日本人にはなじみ深い監督とも言えるアーセン・ベンゲル。アーセナル就任当初は世界的に無名であった彼も、結果を出して実績を積み上げた結果、世界的な名将の1人として、ビッグクラブとしては珍しく実に15年以上アーセナルで監督を続けています。
2003-2004年シーズンの時点でアーセナルを率いて8年目になろうとしていました。
就任当初こそ、カウンターサッカーによる堅守速攻を標榜してましたが、2000年代に入るころには、当時、かなり閉鎖的だったプレミアリーグでは珍しくフランスを中心に外国人選手を積極的に補強し、攻撃的なチームに変貌させる事に成功。
プレミアリーグの強豪クラブの中では、比較的財政面で制限のあるクラブであり、運営方針としては若手を育成しながら強いチームを作ることを基本としており、その点がベンゲルの手腕にぴったりマッチしたと言えましょう。
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