サッカーの下手なユーゴスラビア
2000年シーズンにおいて、スロベニア代表が採用した5-4-1フォーメーションについての想定予想です。
モデルの想定・その他のケース
左図は、2000年におけるスロベニア代表のスターティングメンバー想定予想です。
Webサカのゲーム内説明では、中盤の底はトレースボランチ(ゲーム内ではサイドはウイングバックタイプが活躍してるみたいですが・・・)という事で、3人横並びにしてますが、実際のスロベニア代表はダブルボランチでルドニアはFW登録だったりします。
ただ、試合見てると、パブリンとルドニアが上がったり下がったりしてるようなので、Webサカのゲームで活躍するタイプであってるような気も。
FWのウドニッチ、OHのザホビッチ、両サイドバックのカーリッチ(元G大阪の選手で「浪速の板前」なんて言われていた人)とノヴァクはほぼ固定です。サイドバックの2人はどちらかといえば、サイドハーフに近いポジショニングをするので、3−6−1と言っても良いのかも?
不動のスイーパーに、かつてジェフ市原で守備陣の大黒柱となり「大先生」とまで呼ばれたミリノビッチ。彼を中心にCBは何人かが使われており、想定図はとりあえず1番試合に出てた2人を。
2000年当時のスロベニア代表
スロベニアは、いわゆる「ユーゴスラビア共和国」から1991年に分離独立を果たした国家です。
独立する前は、欧州のサッカー強豪国として知られている「ユーゴスラビア」代表にも、何人かの選手を送り込んでました。
・・・が、実はセルビア、モンテネグロ、クロアチアといった他のユーゴ構成国家に比べると、その数は多くなく、「ユーゴスラビアで最もサッカーが下手な地方」なんて陰口を叩かれることもしばしばあったそうです。
そんなイメージもあってか国内でのサッカー人気も乏しく、独立後のスロベニア代表チームは、EURO1996や1998年フランスW杯の予選リーグを突破するどころか、98年W杯予選は1分7敗と散々な成績を残しています。
こうした状況で、EURO2000予選から元ユーゴスラビア代表のスロベニア人カタネッツが監督に就任します。
EURO2000の予選グループは、ギリシャ、ノルウェー、ラトビア、グルジア、アルバニアと同組で、強豪と呼べるチームはいませんでしたが、それでもスロベニアの評価は高くない状況下、予選を5勝3敗2分で辛うじて2位となり、プレーオフでウクライナを破り、予想外の本選出場を決めます。
その本選は、ノルウェー、スペインに、因縁のユーゴスラビアが同組。そして、いきなり初戦がユーゴスラビアとの対戦となります。
予選の戦い方から、5バックでひたすらガッチリ固めてカウンター狙いのスロベニアという印象が強かったのですが、この試合は欧州でも屈指の攻撃陣を誇るユーゴスラビア相手に、ザホビッチ、パブリン、ルドニアを中心に積極的に攻勢に出ます。これに面食らったか、ユーゴスラビアは立て続けに失点。後半17分にはミハイロビッチが、ゴール前でGKへバックパスしたつもりでザホビッチにボールを出すという信じがたいミスまで出てしまい3−0でリード。歴史的な勝利を挙げることが期待されました。
結局、この試合はユーゴスラビアが底力を発揮して、3−3で同点に追いつかれてしまい、グループリーグも1敗2分で突破することはかなわなかったのですが、「ユーゴスラビアで最もサッカーの下手な地方」であったスロベニアが、欧州の強豪国相手にヒケを取らない戦いができることを見せ付けたのでありました。
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