4人の創造者と1人の労働者
2008年において、スペイン代表が採用した4-1-4-1フォーメーションについての想定予想です。
モデルの想定・その他のケース
左図は、2008年当時のスペイン代表について想定予想のスターティングメンバーです。 EURO2008の決勝vsドイツ戦のメンバーでもあります。
スピードに優れたフェルナンド・トーレスを1トップとし、左サイドにはセカンドトップ的な位置どりをする攻撃的なダビド・シウヴァ、右サイドに本職はセンターハーフのイニエスタがバランサー役として配置されてます。
中央には、パサーとしての戦術眼が高いセスク・ファブレガスとシャビの2人が構え、その後ろにマルコス・セナが、広い範囲で攻撃陣をカバーするために精力的に走り回りつつ中盤の起点になります。
センターバックには、ベテランのプジョルと、どちらかといえば本職ボランチであるマルチェナの2人がそれぞれをカバーしあい、サイドバックはオーバーラップするタイミングが抜群で、スタミナに優れ正確なクロスを出せるセルシオ・ラモスとカプテビラが左右から、折を見て攻めあがるなど、全体的に機動性にに富んだハイレベルなシステムです。
このシステムは中盤と最終ラインの距離感がかなり大事です。
常にディフェンスラインを高く保つことで、ショートカウンターを狙うのがメイン戦術になります。
「クワトロ・フゴーネス」の4人(シウヴァ、セスク、シャビ・イニエスタ)のパスワークもさることながら、ボールを奪ってからの展開力の高さは、セナやマルチェナの得意とするところで、この2人の支えがあってこそ、クワトロ・フゴーネスが光り輝くのでありました。
2008年当時のスペイン代表
監督は、2004年のW杯終了後に就任したスペイン人の、ルイス・アラゴネス監督。
指導者となってから、現役時代プレーしていたアトレティコ・マドリードを中心に、長年監督業を続けてきており、その戦略性の高いチーム作りの手腕から「賢者」という異名を持つ監督です。
2008年は、いわゆる「クワトロ・フゴーネス」と呼ばれる優れたゲームメイカーの4人を中盤に抱えており、その華麗なパスサッカーからEURO2008の優勝候補に挙げられると同時に、スペイン代表の本番大会での勝負弱さから、どこまでやれることやらという多少うがった見解をする評論家、ファンも多く見受けられておりました。
当初は「クワトロ・フゴーネス」の4人全員を同時に使うという選択はせず、システムのバランスを考慮した上で、EURO2008の大半の試合では、FWにダビド・ビジャを入れて、4−1−3−2な布陣を組んでました。
ゲーム内のフォーメーション解説にもある通り、ビジャが怪我したことによって、準決勝の途中から左図の布陣を組むことになったのですが、結果として中盤を完全に制圧してロシアを圧倒することによって、クワトロ・フゴーネスの共存が高いレベルで可能であることが立証され、決勝戦のドイツ戦も試合結果こそ1−0でしたが、全く危なげのない試合運びを披露。
欧州王者となったスペインは、そのあと、2010年のW杯も制覇し、長期に渡って世界ランキング1位にとどまり続けることになるのでした。
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