第二次黄金時代の幕開けか?
2013年において、ベルギー代表が採用した4-3-3フォーメーションについての想定予想です。
モデルの想定・その他のケース
左図は、ゲーム中のキーポジ説明や、2013年のW杯欧州予選でよく出場していたメンバーから想定を推測したものになります。 ここ1,2年で急激に強くなったベルギー代表。各ポジションに欧州各リーグで活躍するトップクラスの選手が複数人いるため、確固たるレギュラーと言える選手は、案外少なかったりします。
基本的にFWは1トップになります。欧州予選ではヘディングに強いベンテケが最も多く試合に出てますが、潜在能力の高いルカクが先発することも。
両サイドのウインガーには、左は緩急あるドリブルができるアザール、右はテクニカルなフェイントを得意とするデ・ブルイネのチェルシーコンビが使われる事が多いです。なお、両ウイングには人材が多く、左だとメルテンス、右だとシャドリやミララスと言ったプレイヤーも試合出場しています。
中盤は、ヘディングが強くターゲットマンになる一方で献身的な守備も行うフェライニを中心に、右のアウトサイドから絶妙なポジショニングをするデフール、攻撃力の高いデンベレ、豊富な運動量でピッチ全体をサポートするナインゴランらが攻撃的、4バックの前でアンカーとして司令塔的な役割を果たすヴィツェルや、対人能力にたけたシモンスらが守備的な役割を担います。
DFラインは、サイドバックで攻撃参加をするタイプこそ少ないですが、守備能力の高い面々が名を連ねており、マンチェスターシティのレギュラーDFであるコンパニーですら、レギュラーが確約されておりません。想定メンバーに入れなかった選手だと、ロンバーツ、フェルメーレン、ポコニョーリなどがいます。
最後の砦GKも、レベルの高い2人がレギュラー争いをしており、欧州予選ではクルトワが多く試合に出ており、リバプールの正GKミニョレが控えに回るほどです。
攻撃陣のタレントに目が行きがちですが、スピード感こそ欠けるものの大型のディフェンダー達が形成するディフェンスラインは圧巻の一言。この堅守に加えて、アンカーに入ったヴィツェルを経由して、中盤から前線にかけてドリブルで緩急をつけたり、ハイボールを交えるなど多彩な攻撃を繰り出すことができるアタッカーの多様性がこのチームの強みと言えるでしょう。
2013年当時のベルギー代表
ベルギー代表には、1980年代から90年代にかけて欧州選手権準優勝やW杯ベスト4などの実績をあげる黄金時代があります。
しかしながら、その中心であったシーフォやクーレマンス、パフらが引退した後、2002年の日韓W杯でベスト16入り(ちなみに、日本がW杯で始めてGSで勝ち点を挙げた時の相手)して以降、EUROもW杯も欧州予選を通過できずに長らくの低迷期間に入っていました。
そんな流れが少しづつ変わっていったのは2012年。
EURO2012の予選ステージでは、ドイツ、トルコの後塵を拝し本選出場を逃がしたものの、その前後の移籍期間中に若手の多くが欧州各国リーグの移籍市場をにぎわし、相次いで大型移籍を果たします。
この移籍市場でのベルギー選手人気が示すように、もともと潜在能力の高い若手が数多く揃っていたという環境に、ベルギーのテニス界を一躍強豪国にまで躍進させた中心人物であるスティーヴン・マルテンスを招聘することで強化方針の先鋭化を果たし、仕上げにEURO2012年終了後に、選手時代から偉大なキャリアを残し若手選手たちの手本となっていたマルク・ヴィルモッツを監督として就任させます。
ヴィルモッツの戦術方針は、自身の選手時代の晩年の代表監督であるヴァサイジュの戦術を参考にしていると本人も言っている通り、斬新なアイデアを生み出すタイプではありませんが、選手たちとの間に築かれた信頼関係は強固であり、そのことがEURO2012で見せた勝負弱いモロさを解消させるきっかけとなっていくのでした。
結果、2012年から2013年にかけてのブラジルW杯欧州予選では、セルビア、クロアチア、スコットランドと言った難敵と同グループになったにもかかわらず、8勝2分で堂々1位通過。実に3大会ぶりにW杯出場を果たすのでありました。
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