小道を駆け抜けるタレント達
2003年シーズンにおいて、チェコ代表が採用した4-1-4-1フォーメーションについての想定予想です。
モデルの想定・その他のケース
左図は、2003年におけるチェコ代表のスターティングメンバー想定予想です。
ロシツキーとネドヴェドが上がったり下がったりを繰り返しながらゲームを作り、コレルのポストプレーからサイドハーフの2人の速攻を仕掛けるなど、スピード感のあるその攻撃は、どこからでもパスが出せ、どこからでも点が取れるという「ウルチカ(小道)」を通すパスサッカーの醍醐味です。
なお、基本は4-5-1なのですが、ロシツキーかスミチェル下げて、代わりにFWのバロシュを入れることで、ひし形中盤の4−4−2で組むこともあったようです。
中盤から前はほぼ安心できるメンバーが集まっているのですが、一方でディフェンスラインは若干、微妙というか、能力高い若手で構成されているけど、経験不足というメンバーになっています。
ただ、当事は丁度、ディフェンスラインはGK含めて世代交代の時期であり、その攻撃力の高さに任せて、多少の守備のほころびは目をつぶるくらいに思っていたのか、メンバー的には入れ替えはほとんどありませんでした。
2003年当時のチェコ代表
監督は、カレル・ブリュックナー。主にチェコのクラブチームを率いてキャリアを積み上げ、代表監督に抜擢される直前は4年間U-21代表監督を努めていたため、その当時の若手を代表に抜擢しながら、前任者と対立して代表引退をほのめかしてすらいたネドヴェドら中心選手とのバランスを上手くとることに成功しました。
選手たちの多くが欧州のビッグクラブに所属しているように、元々の下地はレベルの高いものがあったものの、各人の我の強さが災いしてチームとしてバラバラであったチェコ代表をサッカーチームとして1つにまとめあげたことで、その実力を発揮させます。
EURO2004予選。オランダと同組になり、事実上の一騎打ちと言われてはいましたが、8試合で7勝0敗1分23得点5失点という素晴らしい成績を残して本大会へと駒を進めることになりました。
なお、余談ですが、2004年のEURO本大会では、4-1-4-1ではなく、ほぼ全試合4-4-2で戦ってます。想定図には載ってないバロシュが5得点で大会得点王。オランダと並んで攻撃的サッカーで観客を魅せつつベスト4という結果を残しました。
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