巨人の国のカウンター
2000年においてノルウェー代表が採用した4-3-3フォーメーションについての想定予想です。
モデルの想定・その他のケース
左図は、2000年におけるノルウェー代表を想定したスターティングメンバーです。EURO2000のグループリーグでも同様の布陣で戦っていました。
3トップと言うことで、一見攻撃的にも見えますが、実情は4−5−1に近いと言っても良いでしょう。全体的に引き気味の布陣になります。
ボールを奪ったら、すぐにロングボールを前線に送り、左右のウイングが走って中央のフローにセンタリングするというのが基本戦術となります。
洗練されたサイドアタックと言うよりは、常に守備を意識しながら、とにかく攻守の切り替えを素早く行い、CFWの決定力を信じるといったクラシカルなカウンターアタックを行う布陣のようです。
2000年当時のノルウェー代表
監督はノルウェー人のニルス・ヨハン・セムブ。1998年に代表監督に就任し、兼任で努めたU-21代表監督では1998年の欧州U-21選手権で3位に入る実績をのこしています。
守備を固めてロングボール主体のカウンター頼みという単調で面白みにかける戦術を好んで採用する監督と批評されていました。
EURO2000の予選は組み合わせにめぐまれて、8勝1敗1分で余裕の1位突破。ちなみに、これが2012年時点でノルウェー唯一のEURO本選出場になります。
本選はグループリーグCで、スペイン、ユーゴスラビア、スロベニアとの同組。
初戦は強豪のスペインが相手でしたが、堅守カウンターを繰り返すノルウェーに、ショートパスをつなぎながら攻め込むスペインという展開は、スペインが最後までノルウェーの堅陣を攻め落とすことができず、後半20分のカウンター1発で撃沈。見事な金星を上げるのでした。
2戦目のユーゴ戦は逆に、ユーゴの試合巧者ぶりに翻弄されて0−1で敗退。この時点でグループリーグCは決勝T進出チームが決まっておらず、4チーム全てに可能性が残る大混戦モードになってました。
そんな中、一番組しやすいとみられていたスロベニア戦が残ってるノルウェーが有利と思われてましたが、油断したか、それともお互いにカウンター狙いの守備固めチームであることが災いしたか、スコアレスドローに終わってしまいます。
しかし、試合終了直後、セムブ監督はガッツポーズをしていました。それもそのはず、別会場で行われているユーゴvsスペインは3−2でユーゴが勝利目前。このまま行けば2位でグループリーグ突破になるからです。
・・・ところが、何とロスタイムでスペインが2点取って大逆転。この結果、ノルウェーは勝ち点・得失点差でユーゴと並んだものの総ゴール数の差でグループリーグ敗退の憂き目にあってしまうのでした。
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