三大テノールによる高速カウンター
2011-2012年シーズンにおいて、イタリアのSSCナポリが採用した3-4-2-1フォーメーションについての想定予想です。
モデルの想定・その他のケース
左図は、2011-2012年シーズン当時のSSCナポリについて想定予想のスターティングメンバーです。
センターフォワードには、DFラインの裏に抜けるスピードやポジショニングの上手さに定評があり、セリエAでゴールを量産する「エル・マタドール」カバーニ。
そして、彼を支えるべく、激しくポジションチェンジを繰り返しドリブルで仕掛けラストパスをカバーニに配給するのが、1.5列目に位置するハムシクとラベッシの2人です。
この攻撃陣3人は「三大テノール」と呼ばれて、特にアルゼンチン人のラベッシはかつてナポリの「王様」として君臨し、ナポリの黄金時代を築いたマラドーナとよく比較されるほどの選手です。
サイドは、攻撃と守備の両方でかなりの運動量をほこるマッジョとドッセーナ。特に右サイドのマッジョは不動と言えるほど信頼されており、攻守に抜群に働きを見せます。ちなみに、左サイドはドッセーナではなくスニガが使われる事もしばしばありました。
ダブルボランチのインレルはポジショニングに優れた選手でビルドアップも担当し、ガルガノは汗かきするタイプ。どちらかといえば、両名とも下がり気味にポジションをとっています。ガルガノではなくジェマイリを使う事もありますが、彼はどちらかといえばパサータイプのセンターハーフです。
3バックとGKはほぼ固定です。
基本的な戦術として、3バックの内の誰かがボールを持った相手に向かい、ボランチの2人でそれを挟むというコンパクトなゾーンディフェンスを仕掛け、そこからサイドから前線の3人につなぐという高速カウンターがこのチームの最大の武器となります。 一方で、戦術的には単純でバリエーションが少ないため、相手に引かれた場合、カバーニの裏を取る能力が活かしきれず、カウンターが不発になることも多かったりしました。
2011-2012年当時のSSCナポリ
監督は、イタリア人のウォルター・マッツァーリ。 ビッグクラブの指導歴はないものの、弱小チームを率いて結果を残したり、伸び悩んでいる若手・中堅の再生などに定評のある名将です。
戦術の特徴としては、センターバックを3人使い中央の守りを固くしたうえで、サイドの運動量を活かしたカウンターを戦術ベースに据える傾向が強く、ナポリでも高度なカウンターチームを作り上げます。
2009-2010シーズンの途中からSSCナポリを率いた彼は、シーズン序盤から不安定な戦いを続けていたチームを建て直し。安定した戦いを披露。最終的にUEFAカップの出場権を手にします。
2年目の2010-2011シーズンもチームは好調。黄金時代以来のスクデットも期待されるほどの快進撃を見せ、最終的に4位。見事、欧州CL出場権を獲得。
そして、迎えた2011-12シーズン。リーグ戦こそ5位に終わるものの、バイエルン・マンチェスターシティと同組になった欧州CLで決勝トーナメント進出、イタリア杯優勝などの結果を残し、名門復活の印象を強くさせたシーズンとなりました。
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