走る巨象
2014年において、コートジボワールが採用した4-2-1-3フォーメーションについての想定予想です。
モデルの想定・その他のケース
左図は、2014年当時のコートジボワール代表について想定予想のスターティングメンバーです。主にブラジルW杯本大会直前の親善試合などの傾向から当てはめています。
中盤のトップ下として、3年連続でアフリカ最優秀選手を受章しているヤヤ・トゥーレ。彼が、コートジボワール代表チームの攻撃の要として、中盤の指揮を執ります。
センターフォワードに往年のスピードこそ失いつつありますが、屈強な体格と決定力を誇るドログバ。 W杯本選の日本戦では、CFWにはボニが先発してましたが、途中出場したドログバの威圧感は健在でありました。
両サイドにカルーとジェルビーニョの快速ウイングコンビが、サイドから中へと切り込んできます。
これらアフリカ屈指のアタッカー陣を中盤の底で支えるのが、ともに精力的に動き回り献身的な守備をするティオテとセレイ・ディエのダブルボランチ。
左サイドは往年のスピードこそ衰えてきましたが良く動くベテランサイドバックのボカ、右サイドバックは逆に若くてスピードに任せて切り込んでいくオリエ。
センターバックはゾコラとカラ・トゥーレを入れましたが、日本戦ではゾコラとバンバが先発しています。なお、ゾコラとバンバはトルコのトラブゾンスポルでチームメイト同士。3人ともフィジカルコンタクトに強いタイプです。
GKにしては小柄ですが、その俊敏性と思い切りの良さでゴールマウスを守るのが、ベテランのバリー。
前線の4人とサイドバックも含めたスピーディーあふれる突破と飛び出しがチームの武器になります。 アフリカの代表チームと言えば、近年は優れたフィジカルをベースにしつつ、欧州風の組織的な戦術を核に据えるチームも増えていますが、このコートジボワール代表はとにかくスピードに任せた突破やカウンターから一気に押し込んできます。
一昔前のアフリカチームのイメージをそのまま保ちつつ、それを研ぎ澄ませてきた、そんな印象のあるチームと言えましょう。
2014年(W杯本番直前)当時のコートジボワール代表
監督は、フランス人のサブリ・ラムシ。現役時代はボランチとして活躍し、セリエAのパルマ時代には中田英と同僚になったり、フランス代表にも選出された選手です。
2009年に現役引退後、テレビのサッカー解説者などをしており、サッカー指導者の経歴が全くなかったのですが、2012年9月のW杯アフリカ予選が開始される直前に、突然、コートジボワールで監督デビューを果たしました。
経緯が全く謎であり、そもそも指導者経験のない人物を監督に据えたことに疑問の目もむけられ、また、2014年のアフリカ選手権ではベスト8で敗退するなどしたことから、国内からも解任すべしとの声が上がる事もありました。
しかしながら、アフリカW杯予選は危なげなく突破。また、サッカー協会もラムシ監督を強力に擁護しているため、ひとまずはお手並み拝見といった雰囲気が醸成されています。
ドログバやトゥーレ兄弟、ボカ、ゾコラ、バリーなど、新陳代謝の激しいアフリカ系代表にしては珍しくベテランが主力を長らく務めている国ですが、一方でW杯本戦の日本戦で活躍したボニやオリエのような選手も出てきています。
選手の知名度の割に結果が出せないといわれるコートジボワール代表ですが、その戦力は世界トップレベルと比してもそん色ないチームであるかもしれません。
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