ポルトガル2016
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絶対エース依存からの脱却へ

2016年において、ポルトガルが採用した4-1-3-2フォーメーションについての想定予想です。

モデルの想定・その他のケース

左図は、2016年当時のポルトガル代表について想定予想のスターティングメンバーです。EURO2016の決勝戦vsフランス戦のメンバーになります。

近年は、典型的なセンターフォワードを真ん中に置き、サイドから中に切れ込んでゴールを狙うクリスティアーノ・ロナウドとナニが両翼を担う形をとっていましたが、2014年からサンチェス監督が就任してからは、ポストプレイヤーを廃して両ウイングの2人をフィニッシャーとしての役割に専念させる一方で、中盤はボールと人を良く動かすタイプの選手を揃えます。

一方で、ディフェンスラインはやや高めに取り、ポゼッション志向のサッカーを繰り広げていましたが、EURO2016の決勝トーナメント以降は、センターバックの2人は引き気味となり、どちらかと言えば、フォワードの2人の個の力で打開するような、ややカウンター気味の戦術にシフトしています。

両サイドバックが良く攻めあがるタイプであるため、センターバックの2人はアンカーのカルバーリョと連携しつつ、カバーリングから最終ラインのビルドアップまでなんでもこなします。

最後の砦となるパトリシオも、EURO2012でレギュラーとなって以降、安定感のあるゴールキーパーとして長年ポルトガル代表のゴールマウスを担ってきただけはある存在となっています。

2016年(8月時点)当時のポルトガル代表

監督は、ポルトガル人のフェルナンド・サントス。現役選手としては、怪我のため21歳で引退を余儀なくされてしまうなど不遇なもので、引退した直後は電気技師として10年以上サッカー界から離れていた人物です。

下部リーグの監督としてサッカー界に復帰してから、無名クラブを2チーム、ポルトガル1部まで昇格させる手腕を見せ、名門FCポルトに引き抜かれ、それを皮切りにポルトガルとギリシャの名門クラブの監督を歴任します。

2010年には初の国代表監督としてギリシャ代表監督に就任し、EURO2012の予選突破や、ブラジルW杯のベスト16入りを果たし、国代表監督としても能力を発揮。EURO2014直後に、母国のポルトガル代表監督に就任することになります。

EURO2016の欧州予選は、セルビア・デンマークといった強豪国や、ムヒタリアンのいるアルメニアに、隠れた名将デ・ビアージ率いるアルバニアと難敵揃いのグループIに入ってしまいましたが、ここを7勝1敗と圧倒して1位通過。

とはいえ、国際大会では毎回有力候補になりながらも、好成績を残せないことを繰り返してきたポルトガル代表はEURO2016での前評判は低く、今回もほどなくして敗れ去るであろうとみられていました。

事実、グループステージはハンガリー、アイスランド、オーストリアと比較的くみしやすい相手だったにも関わらず、1勝もできず0勝3分で3位。各組3位チーム内の得失点差で辛うじて決勝トーナメントに勝ち上がるという体たらくでした。

ところが、ここから、グループステージの戦いぶりから一躍、有力候補に上げられたクロアチアを延長の末、1−0で撃破。

準々決勝では、ポーランド相手にPK戦の末に勝ち上がり。

準決勝で、ジャイアントキリングを連発したウェールズを2−0で完封し、あれよあれよと決勝戦まで勝ち上がります。

決勝の相手は開催国のフランス。
直近の親善試合で2連敗どころか、過去41年間で10連敗中だった相手でした。

開始25分、本大会で不発気味だったとはいえ、近年のポルトガル代表を支えてきたクリスティアーノ・ロナウドが負傷により、前半25分で交代。
これで、俄然有利となったフランスが、猛攻を繰り広げますが、ペペとパトリシオを中心にポルトガルも必死の防戦を続けます。

退場したロナウドとサントス監督が肩を並べて、テクニカルエリアで激を飛ばす中、猛攻を続けてきたフランスに疲れが出始め、ついに延長後半4分、ロナウドに「お前が決めろ」と言われて途中出場したエデルが決勝ゴール。

かくして、ロナウドに依存したロナウド頼みのチームとみられていたポルトガル代表は、彼がいなくてもやれるという事を、主要国際大会の初優勝という形で証明してみせたのでありました。



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