勝利への執念を剥き出すカウンターサッカー
2014年において、ウルグアイ代表が採用した3-5-2フォーメーションについての想定予想です。
モデルの想定・その他のケース
左図は、2014年当時のウルグアイ代表について想定予想のスターティングメンバーです。主にブラジルW杯本大会前後の傾向から当てはめています。
ウルグアイ代表は、相手に応じて4バック、3バックの両システムを使い分けています。
ただ、どちらにしても、中盤、DFラインがフラットに並び、守備はゾーンで対応。 そして、カウンターから強力な2トップにボールを預けて、2人の破壊力で何とかするという形は変わりません。
その2トップは、ともにFWとしての能力すべてを兼ね備えて、勝利に、またボールに対しての飽くなき執念をもつスアレスとカバーニです。 片方は、執念が強すぎて闘志が変な方向に向かってしまうことがしばしばありますが、世界でも随一と言って良い2トップでしょう。
フラットな中盤で、やや前目に位置するのが、パサーのロデイロとドリブラーのクリスティアン・ロドリゲス。
サイドハーフは、左サイドのスペシャリストであるアルバロ・ペレイラとセンターハーフもできるアルバロ・ゴンザレス。ともに正確なクロスが持ち味で、運動量も豊富なタイプです。 なお、4バックの時は右サイドを務めるマキシ・ペレイラも試合には良く出ています。
バイタルエリアを受け持つアレバロは、小柄ながら闘志あふれるプレーで自分より大きな選手にひるむことなく当たっていきます。 なお、アンカータイプとしてかつてはガルガーノがレギュラーを張っていましたが、2014本大会では控えに回っています。
本来ならば、センターバックは主将のルガノが中心になりますが、2014本大会ではGL2戦目以降は怪我で離脱しており、ゴディンが中心になります。 ルガノの代役に若手のヒメネス、また、4バック時は左サイドバックになるカセレスが3バックではセンターバックに入ります。 この3人はともにフィジカルが高く、スピードとパワーを活かした守備が持ち味です。
最後の砦は、反応速度に優れポジショニングもうまいムスレラ。2010年南アフリカ大会ベスト4や、2011年のコパ・アフリカの優勝時も正GKとしてウルグアイの堅守を支えてきました。
2014年(W杯本戦まで)当時のウルグアイ代表
監督は、2006年から2度目のウルグアイ代表監督に就任し、8年もの長きに渡って指揮を執り続けている、ウルグアイ人のオスカル・タバレス。
ウルグアイを中心として南米のクラブチームを主に率いて、1988年に1度目のウルグアイ代表監督を2年間務めています。 また、その実績を買われてイタリア(ACミランなど)やスペインでも監督を務めたこともありました。
戦術的な傾向としてはウルグアイ人監督らしく、守備には細かい約束を多く設ける一方で攻撃は中心選手に任せるといった守備的なチーム作りをする監督です。
2010年の南アフリカ大会で4位、2011年のコパ・アメリカを優勝するなど、古豪として長らくビッグタイトルから遠ざかっていたウルグアイ代表に久しぶりのタイトルをもたらせます。
そして、2010年頃に引き上げた有望な若手選手たちが円熟期に入ってきた2013年の南米予選は、かなりの期待がされていました。
が、強力なFW陣を支える守備陣が安定感を欠き、勝ち点を思うように伸ばせず、最後は9チーム中5位でフィニッシュ。 アジア5位ヨルダンとのプレーオフこそ順当に勝ちましたが、4大会連続での大陸間プレーオフ(本大会出場は2大会連続)に出場するハメとなってしまいました。
迎えた本大会は、イタリア、イングランド、コスタリカと同組のグループD。いわゆる「死の組」に入ってしまいます。
GL初戦は、その中でも一番評価の低かったコスタリカでしたが、ウルグアイ以上に堅守のチームに1−3でよもやの敗戦を喫します。
これで後がなくなったウルグアイでしたが、イタリアとイングランドに連勝して、「死の組」を2位通過に成功。前回大会に続き、決勝トーナメントに進出しました。
しかし、GL3戦目のイタリア戦でエースのスアレスが噛みつき行為。前科のある行為であったため9試合出場停止という重い処分を受けてしまいます。
これの影響が出たのか、決勝トーナメントのコロンビア戦は立ち上がりから積極的に前に出ていきますが、フィニッシュの精度が良くなく前半0−1。さらに後半の立ち上がりで2点目を取られたあとは、前半で見せた攻勢も影をひそめ、良いところなく0−2で敗退してしまいました。
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