ロシア2008
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皇帝と魔術師

オーストリア・スイス共同開催のEURO2008でロシア代表が採用した4-1-3-2フォーメーションについての想定予想です。

モデルの想定・その他のケース

左図は、2008年のEUROオーストリア・スイス大会におけるロシア代表のスターティングメンバー想定です。EURO本選では毎試合のようにメンバーを入れ替えており、このスタメンはWebサカ2のワールドツアーで採用されていた準決勝のスペイン戦メンバーになります。

大半のメンバーがロシア国内リーグの選手たちで、新皇帝(ツァーリ)と言われたアルシャヴィンがアーセナルに、ジルコフがチェルシーに移籍するのは翌年で、この時点で海外リーグでプレーしていたのはサイドハーフのサエンコ(ニュルンベルク)くらいでした。

他国と比べると格落ち感が否めないチームではありますが、ヒディンクの指導の下、プレッシングとサイド攻撃をメインに柔軟な戦術を試合ごとに採用し、EUROでは大会を通じて高いパフォーマンスを示すのでした。

アタッカーは、ポストプレイヤーであるパブリチェンコと、セカンドトップになるアルシャヴィンです。
特にアルシャビンは機動性のあるドリブルやパス技術の高さから「新皇帝」と言われるくらいにチームに欠かせない存在となり、攻撃を牽引します。

中盤のサイドは左が本来はセンターハーフのジリアノフ、右はこれも本来は左ウイングが本職のサエンコ。
サエンコは本来は左サイドが本職ですが、オランダ戦ではスナイデルやブロンクホルトの攻め上がりに対応するため前線からのプレッシャーを期待されて右サイドで使われています。本想定はオランダ戦ですがスペイン戦でも右サイドハーフとして先発。

中央はリンクマンのセムショフとボランチのセマクで、前者は高いテクニックを持ち、後者はユーティリティプレイヤーとして攻撃的なポジションもできますが、スピードとスタミナで走り回るタイプのボランチです。

左サイドバックのジルコフはロシアのロナウジーニョと呼ばれるほどのテクニシャンで、本職は上がり目の左サイドですがEUROでは一貫して左サイドバックとして使われています。彼のオーバーラップからアルシャヴィンへのホットラインはこのチームの持ち味でもありあます。

右サイドバックのアニュコフもスピードがありアーリークロスを上げてくるタイプになります。

センターバックの二人はともに大柄でフィジカルの強いタイプ。

最後の砦、アキンフェエフはCSKAモスクワの伝説的なキーパーともいえる存在で、本田圭佑の同僚として日本でも多少なじみのあるゴールキーパーです

2008年当時のロシア代表

監督はオランダ人のフース・ヒディンク。現役時代は下位クラブで中盤のレギュラーを務めつつ、教師の資格をとり体育教師と兼任していたこともあったようです。
現役引退後、PSVでコーチから監督に昇格しリーグ三連覇に加えて、1987-88シーズンでは国内カップと欧州カップのトレブルまで達成するほどの偉業を達成します。

これをきっかけに、レアル・マドリードに招聘されたり、オランダ代表、韓国代表、オーストラリア代表ではW杯の予選及び本線のGS突破を必ず果たすなど結果を残し続け、世界的な名将の一人として認められるようになります。

ロシア代表監督には2006年から就任で最初の仕事はEURO2008予選からで、クロアチア、イングランド、イスラエルなどの強豪と同組になりながら何とか2位抜け(1位はクロアチア)しますが、最終戦でエースに抜擢したアルシャヴィンが暴行行為で本選は2試合欠場という事態になってしまいます。

その影響からか、スペイン、スウェーデン、ギリシャと同組となった本選は名将ヒディンクが率いるとはいえ、予選もギリギリだったし2戦目まではエースがいないということで前評判も低く、事実、初戦のスペイン戦は完敗します。

しかしながら、2戦目は格下のギリシャに何とか1−0で勝利。
3戦目は復帰したアルシャヴィンが活躍して2−0で勝利してGSを2位抜けします。

そして、決勝トーナメント1回戦はフランス、イタリアに圧勝して勝ち上がってきたオランダが相手。
多くの人たちが、ここでヒディンクマジックも終わるだろうと予想される中、ヒディンクはオランダの右サイドバックのブラールズのコンディションが悪い(彼は数日前に娘さんを亡くしていた)と見て取るや、オランダのストロングポイントになる左サイド側に対して手厚い壁を作り、オランダが右サイドを起点に攻撃してくるようにしむけ、ボールをオランダの右サイドに集めるように仕向けます。

点がとれなく業を煮やしたバステンが右サイドのカイト、ブラールズを下げて前がかりの選手交代をしてくるや、ロシアはボールを奪ったら左サイド(オランダの右サイド)の裏へ徹底的にボールを放り込んで争点を明確にしていきます。

この動きに対応することでオランダ側も奔走し、結局、延長までもつれ込んだ時には体力的に余力のあったロシアが猛攻を加えて優勝候補筆頭と言われたオランダを撃破し、ベスト4に進出することになりました。

準決勝では、オランダとの死闘で力尽きたかGS1試合目と同じくスペインに手も足も出ずに敗れましたが、オランダ戦で見せた戦いぶりはさすがの魔術師・ヒディンクとして名を高めることになるのです。



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