某SNSの世界トレンド1位に「Kashima」
2016年のクラブW杯において鹿島アントラーズが採用した4-4-2フォーメーションについての想定予想です。
モデルの想定・その他のケース
左図は、2016年のFIFAクラブW杯における鹿島アントラーズのスターティングメンバー想定です。決勝のレアル・マドリード戦で採用されたメンバーとなります。
クラブW杯決勝戦でレアルマドリードを相手に一時は勝ち越すという善戦を見せたメンバーのフォーメーションです。
鹿島と言えば伝統的に4バックで堅守速攻で、2016年のチームも前線からのプレス、中盤の守備ブロック、高さも対人能力もある統率されたラインディフェンスと実に粘り強いサッカーをしていました。
中心となるのは、長らく主将も務める中盤の要である小笠原と、日本屈指のパサー柴崎という2人のゲイムメイカー。特に線が細めの柴崎がプレッシャーを避けるためにややサイドに寄りがちな分、ボール奪取率も高くキープ力も高い小笠原は攻守両面における大黒柱となります。
中盤右寄りの2人は守備的な永木と、攻撃的な遠藤。左よりの2人にプレッシャーが強まった時は右サイドの遠藤が前線にボールを運ぶ役割を担います。
2トップはフィジカルのあるストライカー金崎と、サイドハーフもできるシャドーストライカーの土居のコンビ。
ともに高さがあり、対人能力に加えて足下の技術も高い昌子とフィジカルが強い植田のセンターバック2人に、サイドバックにしては高さのある山本と、攻め上がりにセンスのある西が4バックを組みます。
長きにわたり鹿島のゴールマウスを守り続ける曽ヶ端。この翌年くらいから徐々に試合出場機会が減っていきますが、2016年はいまだ健在というシーズンでした。
2016年当時の鹿島アントラーズ
監督は石井正忠。Jリーグ元年からのアントラーズの守備的選手として主力を務め、1998年引退後は鹿島のコーチを務め続けていました。
2015年7月に成績不振で前任者が解任され、コーチからの昇格という形で監督に就任しました。 この年の2ndステージは2位、年間総合5位でフィニッシュ。ナビスコ杯を制覇するなどまずまずの結果を残しています。
迎えた2016年。1stステージを堅守で制覇したものの、2ndステージは主力に故障者が出たりするなどして守備陣が崩壊し11位で年間勝ち点3位。 この年のチャンピォンシップは1st(鹿島)、2nd(浦和)ステージ優勝チームに年間勝ち点2位(川崎)の3チームによる変則プレーオフとなります。
1回戦の川崎戦を自慢の堅守から1-0で破り、決勝戦は浦和とのH&A。 ホームでの初戦を0−1で落としてしまい、さらに2戦目埼玉スタジアムでのアウェイ戦も、浦和に先制されて絶体絶命のピンチ。 ところが、前半終了間際に金崎のヘッドで追いつき、さらに後半33分にカウンターから裏に抜け出した鈴木優がPKを獲得。鈴木と金崎どちらが蹴るかで少しもめたものの金崎がこれを決めて、アウェイゴールで逆転。 浦和の反撃を最後までしのいで、7年ぶり8回目のJ1優勝を飾るのでした。
さらに、この年はクラブワールドカップが日本開催だったため、開催国枠で出場権を獲得。 オセアニア代表のオークランドシティFCを2-1で逆転勝利。準々決勝のアフリカ代表マメロディ・サンダウンズFCを2-0で危なげなく破り、準決勝は南米代表のコロンビアのクラブ、アトレチコ・ナシオナル。 この試合、鹿島が先制するものの長い時間アトレチコの攻勢が続き、それを何とかしのぐという展開でしたが、一瞬のスキをついた柴崎のクロスを遠藤がヒールでシュートするというテクニカルなゴールで追加点。アトレチコが気落ちしたかその1分後にさらに1点を加えた鹿島が、クラブワールドカップ史上初めて、AFC所属チームによる決勝進出を果たすのでした。
ドラマはさらに続き、決勝はヨーロッパ代表のレアル・マドリード。チャリティマッチでもなく観光モードでもないベストメンバーによる本気の欧州王者相手に、開始早々先制点を許してしまいます。
この時点では、まぁレアル相手だし、あとは何失点まで抑えられるかなくらいに見られていたであろう鹿島アントラーズでしたが、前半終了間際に柴崎の同点弾。 さらに、後半開始早々にまたも柴崎のコースを狙った正確なシュートが決まって、ついに勝ち越し。この瞬間、多くの日本人サッカーファンが大いに盛り上がりを見せたことでしょう
結局、後半のうちに追いつかれ延長戦に突入。過密日程の中、レアルより2試合多く戦っている鹿島に余力無く、最後はクリスティアーノ・ロナウドのハットトリックで力尽きてしまいますが、この年の鹿島アントラーズは日本サッカーの可能性を大いに見せてくれた試合をしたと言えましょう。
なお、この試合から2週間後には天皇杯で川崎を破り、Jリーグとあわせて2冠を達成。充実のシーズンを締めくくるのでした。
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