十尾の狐、ミラクル・レスター
2015-2016年シーズンにおいてイングランドのレスター・シティFC(チーム愛称はフォクシーズ)が採用した4-4-2フォーメーションについての想定予想です。
モデルの想定・その他のケース
左図は、2015-2016年シーズンの想定スターティングメンバーです。ゲーム内のワールドツアーメンバーを参照しており、プレミアリーグ第14節vsマンチェスターユナイテッド戦などのスタメンになります。
フィールドプレイヤー10人の全員守備を体現したハイプレスのカウンターサッカーです。このチームの特徴は、日本で良く言われる岡崎だけなくてバーディーもともに中盤ライン近くまで下がって前線守備に駆け回り敵ディフェンスラインのパス回しを簡単にさせないという点が強みです。
2トップはストライカーとしてゴールを量産するバーディーと、ハードワークによる前線守備が得意な岡崎。 なお、前述しました通り、バーディーも前線守備をやらないわけでもなく、中盤付近で前線守備した後ボールを奪ったら爆発的なスピードで一気にゴール前に到達しストライカーとしての威力を発揮していました。
サイドハーフの2人は左のオルブライトンは典型的なクロッサー、右のマフレズはカウンターに乗ってサイドら中央をを切り裂く攻撃的なタイプです。
ダブルボランチはともにボール奪取能力の高いタイプですが、カンテのそれは世界でもトップクラスの能力でしばしばカウンターの起点となってレスターを文字通り支えています。
ディフェンスラインは4バックで、センターバックはともに大型の似たタイプで空中戦に強いモーガンとフート。 左サイドはロングスローで有名なフクス、ロングスローだけでなくクロス制度も高くサイドバックにしては身長も高いのでセンターバックを務めることもできます。 一方、右サイドはクレバーなプレーで攻撃参加のタイミングが抜群のシンプソンでこちらは典型的なサイドバックです。
ゴールキーパーは安定したセービング技術を誇るシュマイケル。父親がマンチェスターユナイテッドのレジェンドでもあるため過小評価される向きもありますが、2015-16シーズンは神がかり的なビッグセーブも連発しており、親子2代の名キーパーと言って差し支えないでしょう。
2015-2016年当時のレスター・シティ
監督はイタリア人のクラウディオ・ラニエリ。現役時代は代表経験こそありませんが、主にセリエAのチームでディフェンダーとしてプレー。引退後、セリエCのチームの監督から指導者の道を歩み始めます。 転機になったのはセリエCのカリアリを一気にセリエAまで引き上げたことで、これ以降、有力クラブの監督として招聘されてまずまずの好成績を残しながら新戦力の発掘をすることで「修理屋」の異名をとるようになります。
そんなラニエリがレスターの監督に就任したのが2015年夏。前シーズン、辛うじて残留を果たしたものの当時の監督の息子が人種差別発言をして解任されてしまい急遽、招聘されることになりました。
ただ、シーズン前はそのラニエリですら目標はプレミア残留としており、そこまで期待はかけられていなかったのですが、シーズン序盤からフィールドプレイヤー全員がハードワークを厭わず、特に2トップの前線守備から中盤でボールを奪取しサイドハーフを経由して、ヴァーディーが仕留めるというスタイルがモロにはまります。
13節目で首位に立つなどして前半戦を2位でターン。後半戦の23節目に首位を奪い返すと、その後最後まで首位を明け渡すことなく最終節前に優勝を決めるという圧倒的な強さで、シーズン前の優勝倍率1001倍という低評価を覆す「奇跡」を果たすことになりました。
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