ドイツ2002
各フォーメーション
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忘れられない、その名は「オリー・カーン」

2002年ドイツ代表が採用した3-2-3-2フォーメーションについての想定予想です。

モデルの想定・その他のケース

左図は、2002年日韓ワールドカップにおけるドイツ代表のスターティングメンバー想定です。グループステージのサウジアラビア戦などのスタメンになります。

なお、webサカ2のツアーメンバーは左図の通りで、これは2002W杯のGS時のスタメン。決勝トーナメントではぱっとしないヤンカーとツィーゲを外して、それぞれノイビルとボーデが使われますが、基本線は3-2-3-2です。

このチーム最大のスターはゴールキーパーのカーンです。2002年W杯では準優勝ながらW杯史上初のGKによるMVPに輝くように、守備陣はシュートを許すまでしますが、なかなかゴールを割らせない驚異的なセービング、そして、顔を赤くして怒ったようなコーチングによるチーム鼓舞と、文字通り最後の砦としてドイツを守ります。

攻守の要になるバラックは、テクニシャンというよりはこの時期に増えていたフィジカルに強く判断力確かな近代的司令塔タイプ。背の高いクローゼ、ヤンかーという2トップを操ります。
なお、2トップのうちクローゼはこの大会で大きく飛躍しその後も代表のレギュラーに定着していきますが、ヤンカーはこの時期所属先のミランでも控えに甘んじている状況で、スタメンで使い続けていることに批判も大きく、決勝トーナメントからは上述通りスピード豊かで勝負強いノイビルがクローゼの相棒を務めるようになります。

ウイングハーフのツィーゲとシュナイダーは所属クラブではサイドバックを務めており、ハードワークも行いますが、ベテランのツィーゲはやや調子を落としており、決勝トーナメントからは攻撃的なボーデがレギュラーとなります。

バランスのとれたタイプであるハマンとフリンクスがダブルボランチ。イェレミースが使われることもありますが、概ね守備にも攻撃にも一定以上の信頼感が置ける選手を配置できるのがドイツの強み。

3バックは、レギュラーのノボトニーを怪我で欠いたため、ラメロウ、リンケ、メツェルダーと大柄なタイプが3人並んでいます。

総じてみるとバランスの良いチームですが、どことなく攻守ともにこれと言った特徴がなく、伝統的に組織的なドイツ代表にしては珍しくカーンやクローゼといった個人の力で押し切って結果を出したようなフォーメーションでした。

2002年当時のドイツ代表

監督はドイツ人のルディ・フェラー。現役時代は西ドイツを代表する名ストライカーとしてならした人物でした。
引退後レバークーゼンのスポーツディレクターを務めていましたが、そのレバークーゼンの監督をドイツ代表監督にするという話が持ち上がり、様々な要因から暫定的にフェラーを監督に据えてその後正式に交代するという話になったところ、その監督候補に薬物疑惑が持ち上がりなし崩し的にそのままフェラーが代表監督に就任することになります。
世代交代に失敗して低迷期に入っていた当時のドイツサッカー界の混乱ぶりを象徴するかのような出来事でした。

監督、コーチ経験のないまま代表監督に就任したフェラーは、巷間に大幅で大胆な世代交代が望まれる中、惨敗したEURO2000のメンバーはそれほど悪いメンバーではないと結論づけ、(さすがにマテウスは外しましたが)その時点のメンバーの大半をベースに残しつつ、少しづづ若手を抜擢していくという手法を取ります。

そこで、抜擢されたのが「小皇帝」バラックや、クローゼ、メッツェルダーと言ったメンバーでした。

とはいえ道は険しく、ワールドカップ欧州予選グループ9組は、イングランド、フィンランド、ギリシャ、アルバニアと同組になり、イングランドとのアウェイ戦で1−5と大敗したのが響き、2位プレーオフに回る事になります。

プレーオフの相手はシェフチェンコ擁するウクライナ。初戦のアウェイは1−1と苦戦しますがホームで4−1となり辛うじて本戦出場決定。このプレーオフで合計3得点を挙げたバラックが新生ドイツのエースとしてアピールしていました。

一方、ワールドカップ前までにセンターバックのノボトニーと、トップ下のショル、創造性豊かなダイスラーをを怪我で欠き、ベストメンバーの招集が困難になってしまいます。

この過程から、ドイツにしては珍しく下馬評の低い大会となるのですが、アイルランド、カメルーン、サウジアラビアと同組になったグループステージ初戦で、クローゼがヘディングだけでハットトリックを決めるなど8−0で圧勝。アイルランドには引き分けたもののカメルーンを2−0で下し決勝トーナメント進出。
クローゼがここまでに5得点、また主将のカーンが鬼神のごとくファインセーブを繰り返しチームを鼓舞します。

そして、この決勝トーナメントは1回戦のパラグアイ、準々決勝のアメリカ、準決勝の韓国と組み合わせに恵まれ、全て1−0で勝利。守備陣が堅固というよりも、最後に立ちはだかるカーンがスーパーセーブを連発して完封してきたというのが実情でした。

前評判に反して決勝まで勝ち上がったドイツの相手はこの大会の本命・ブラジル。
準決勝の累積警告でバラックを欠いたドイツはポゼッションで上回るもののブラジルの攻勢に徐々に押されていきます。
結局、後半に2失点したドイツは準優勝。
奮闘したカーンが試合終了後、力尽きたようにゴールポストにもたれかかっていた姿が印象深いものでした。

以下は、ワールドカップに前後してドイツ国内で発売された「オリー・カーン」の歌詞のサビの部分。

止まらないやつは くじけないやつは
泥まみれのキャプテン 緑の海で
飛べるのさやつは 輝けよやつは
忘れられない その名は 「オリー・カーン」



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