それが母国に帰ってくる
1996年のEUROイングランド大会においてイングランド代表が採用した4-4-2フォーメーションについての想定予想です。
モデルの想定・その他のケース
左図は、EURO1996におけるイングランド代表のスターティングメンバー想定です。リニューアル前のゲーム内ワールドツアーのメンバーを参照しており、準決勝の対ドイツ戦メンバーから右サイドバックがプラットではなくG・ネヴィルに代えられた布陣となります。
この時期プレミアリーグで3年連続得点王を取るヘディングが得意なシアラーが得点源です。EURO1996が始まるまでの2年間、代表では長らくゴールを決めておらず不安視される向きもありましたが、本大会では5ゴールを挙げて得点王に輝いています。
2トップの相棒となるシェリンガムは純粋なストライカーというよりはセカンドトップタイプで代表ではシアラーのサポート役として献身的なプレーに徹しています。
トップ下にドリブルとパスの名手ガスコイン。またサイドハーフのマクマナマンとアンダートンの2人のドリブラーが攻撃にアクセントを加えます。
一方、サイドハーフの2人があまり守備的ではないため、アンカーのポール・インスはディフェンスラインと連携しながら中盤の下がり目で守備を担います。
空中戦に強い2人のセンターバックは「ミスター・ガンナーズ」のアダムズと後にイングランド代表監督になるサウスゲート。 「イングランド史上最高の左サイドバック」とも言われるピアースに、右はファーガソンのひな鳥の中で最も早くイングランド代表に選出されたガリー・ネヴィル。
この鉄壁の4バックの後ろに控えるのは安定した守備力を誇るシーマンで、決勝トーナメント1回戦のスペイン戦では2本のPKを止める活躍をしています。
1996年当時のイングランド代表
監督はイングランド出身のテリー・ヴェナブルズ。現役時代はチェルシーやトットナムなどで活躍し、引退後はバルセロナの監督としてリーガを制覇するなど安定した指導力を持った名将と言われる人物です。
1994年のW杯後にイングランド代表監督に就任し、母国開催のEURO1996は是が非でも結果を出さねばならない大会でした。
イングランド領内でも今や定番の応援歌となった「スリーライオンズ」が街中で流れる盛り上がりを見せる中、シラー、ガスコインという世界的スターに加えて、アダムズやシーマンというガンナーズの重鎮、次代の旗手とみなされていたマクマナマンやネヴィル兄弟など各ポジションにスターを配する豪華な顔ぶれがそろいます。
グループリーグは格下スイスに引き分けたものの、難敵とみられていたオランダとスコットランドに快勝して危なげなく決勝トーナメントに進出します。
決勝トーナメント1回戦のスペイン戦はスコアレスドローに終わるもののPK戦でシーマンが2本とめる活躍で勝ち抜け。
準決勝は強敵ドイツ。前半の早い時間帯に1点ずつ取り合ったものの、その後は膠着状態に。 延長戦に入り、アンダートンやガスコインの惜しいシュートが外れるなど、イングランドが押し気味になるものの結局、最後はPK戦となります。お互い5人目まで成功させた後の6人目、後にイングランド代表監督になるサウスゲートの弱々しいシュートはドイツGKのケプケに止められ、メラーの対照的な力強いシュートがゴールネットを揺らすという結末に終わります。
余談ながら、このPK戦の敗戦以降、イングランド代表は主要大会でのPK戦5連敗。2018年のロシアW杯までPK戦に勝てなくなるのでした。
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