レジスタというお仕事
2002-2003年シーズンにおいてイタリアのACミランが採用した4-3-1-2フォーメーションについての想定予想です。
なお、ゲーム表記の「ロッソネロ」とは、ユニフォームが「赤(ロッソ)黒(ネロ)」であることから、イタリアリーグのACミランで呼ばれている愛称であります。
モデルの想定・その他のケース
左図は、2002-2003年シーズンの欧州チャンピオンズリーグ決勝戦におけるACミランのスターティングメンバーです。
イタリアを代表するMFピルロが本格的に中盤の底の司令塔=レジスタとして活躍し始めたシーズンとなります。
この司令塔を守護するのが、ガットゥーゾとシードルフというハードワーカー2人。どちらかが欠場するときは、アンブロジーニというやはり守備のスペシャリストがピルロの護衛に着きます。
攻撃陣はインザーギとシェフチェンコのミランを代表する2トップ。また、ピルロと2トップへのつなぎ役となるのがルイ・コスタがトップ下に入ります。 なお、この年はシェフチェンコが不調でトマソンやリバウドなども試合に使われています。
センターバックはマルディーニとロスタという当時イタリアどころか世界でも最高峰と言える2人。
サイドバックはカラーゼとシミッチで、この2人は攻め上がりが少なくどちらかと言えばセンターバックが4人いるような守備陣を引いています。ちなみに、右サイドバックは欧州CLの準決勝と決勝だけ上記図(webサカ2での配置)のようにコスタクルタが使われていますが、彼もまたセンターバックタイプのディフェンダーです。
GKはアッビアーティからレギュラーを奪取したジーダで、この後数年はジーダがロッソネロの守護神となります。
2002-2003年当時のACミラン
監督はイタリア人のカルロ・アンチェロッティ。イタリアを代表する名将で、2001年シーズン途中にACミランの監督に就任してから8年間の長期政権を築き、リーグ優勝こそ1回どまりですが欧州CLを2度制覇するなどタイトルを複数回獲得するなどの成績を残しました。
2002-03シーズンはリーグ戦こそユヴェントスに独走を許し3位に終わりますが、欧州CLではベスト4にセリエAのトップ3+マドリードがベスト4に残る展開。
準決勝はインテル・ミラノとの同本拠地(ジュゼッペ・メアッツア・スタジアム)でミラノダービーのホーム&アウェイでアウェイゴール勝ち抜け。決勝はユヴェントス相手にセリエAの試合らしく0−0からのPK戦でタイトルを手中にしています。
その原動力は何といっても、トップ下からボランチというよりレジスタにコンバートされたピルロの活躍でした。 トップ下の司令塔として創造性こそあるもののフィジカルに難があるため思うように試合をコントロールできなかったピルロですが、ルイ・コスタがいるミランでは活躍の場がなくなってしまうため、ボランチとしての試合出場を監督に直訴。 司令塔としての能力を買っていたアンチェロッティも護衛役を2人つけることでピルロールイ・コスタの2枚司令塔という守備的なセリエAにしては珍しくテクニカルなチームを構築したのでした。
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