エッフェル塔から見える「新・銀河系」
2012-2013シーズンにおいて、フランスのパリ・サンジェルマンが採用した4-3-1-2フォーメーションについての想定予想です。
モデルの想定・その他のケース
左図は、2012-2013年当時のPSG(パリ・サンジェルマン)について想定予想のスターティングメンバーです。
2トップの片方には、世界でもトップクラスの決定力を持つイブラヒモビッチ。
そして、片割れにはサポート役として主に1.5列目に入りゲームメイク、時には自ら点を取りに行くタイプが入ります。
2012-13シーズンの前半は主にメネスが、後半はラベッシが入る事が多かったですが、タイプとしては二人ともドリブルで切り込むテクニシャンタイプです。
トップ下に、メネスやラベッシ同様ゲームメイクだけでなく自ら得点も取りに行ける「アルゼンチンのカカ」ことパストーレ。
中盤の底はトレースボランチを採用しており、中央のヴェラッティがこのチームの司令塔役。左右にマテュイディ、モッタという汗かき役が入ります。
両サイドバックは、右でジャレとファン・デル・ヴィールが併用されていますが、左のマクスウェルともどもスピード能力の高い攻撃的なタイプになります。
センターバックはシウヴァ、サコー、アレックスとあたりに強いタイプがローテーションされ、安定したセービングを武器に不動のレギュラーとなったシリグや、トレースボランチと連動しながら中央を手厚く守ります。
カウンターサッカーというわけではありませんが、アンチェロッティお得意のトレースボランチによる堅実なブロック守備から、攻撃陣のタレントが力で相手ゴールをこじ開けるといった、セリエA的なサッカーを展開するチームでした。
2012-2013年当時のパリ・サンジェルマン
当時の監督はイタリア人のカルロ・アンチェロッティ。ACミラン監督時代のクリスマスツリーに代表されるように、サイド攻撃全盛時代から、サイドハーフを配置せず、トレースボランチによる堅実な守備をするチームを作ることを好む監督です。
PSGはフランス屈指の名門クラブで、かつて世界クラブランキング1位の座にも就いたことのあるクラブでしたが、近年は有力スポンサーの撤退などで資金不足に陥り、2000年代には降格争いにも何度か絡むなど名声に比した成績を上げられなくなっていました。
そんな状況下で2011年。チェルシーやマンチェスターCのように、オイルマネーをバックボーンに持つカタールのスポーツイベント会社がPSGを買収することで、財政難を帳消しにするどころか、豊富な資金をもとに有力な選手や監督を次々に引き抜いてフランスのみならず欧州の舞台でも互角に戦えるチームを、わずか数年で作り上げてしまいました。
その象徴が、ACミランから引き抜いたイブラヒモビッチとシウヴァで、この2人を核として、それをサポートする人材を各チームからどんどん引き抜いていました。
余談ですが、この2012-2013シーズンのフォーメーションは2012年12月時点を想定したフォーメーションと思われ、そのあとも国外国内から一線級のメンバーを引き抜き続けています。その様はさながら、「銀河系軍団」と言っても過言でないくらいの金満クラブぶりです。
前年にリーグアンで2位に入ったことにより、8年ぶりに出場した欧州CLでは、バルセロナにアウェーゴール差で敗れてしまいますが準々決勝進出という好成績を残します。
リーグ戦も前評判通りの実力を発揮し、シーズンを通して安定した戦いを続けて19年ぶりの優勝を果たすのでありました。
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