ルーマニア産まれのトルコの王様
1999-2000年シーズンにおいて、トルコのガラタサライSKが採用した4-5-1フォーメーションについての想定予想です。
モデルの想定・その他のケース
左図は、2000年のUEFAカップ決勝vsアーセナル戦におけるガラタサライSKのスターティングメンバーです。
中心になるのは、トップ下としてパスを左右に散らすルーマニアの「王様」ゲオルゲ・ハジ。
ハジから、両サイドに展開するオカン・ブルクやユミト・ダバラへのスルーパスから、中央ゴール前で待ち構える「ボスポラスの雄牛」ハカン・シュキルへのラストパス。ストライカーとしてもポストプレイヤーとしても能力の高いシュキルが自分で決めることもあれば、折り返してシャドーとして控えるアリフ・エルデムが押し込むというケースも得点パターンの1つでした。
守備陣は、こちらもルーマニアの守備面での王様ポペスクがDFラインを統率しています。
もっとも、こちらの「王様」はサイドバックが攻撃時に上がったまま、帰って来ないなんて事がしばしばあったらしく、サイドの裏をつかれて、アタフタすることも結構あったようです。
エルデムではなく、やや下がり目のCHハサン・サスなどを使うこともあったようですが、概ね左図のメンバーで戦っていたようです。
1999-2000年シーズン当時のガラタサライSK
監督は、トルコ代表監督として1996年の欧州選手権でトルコを本大会初出場に導くというトルコサッカー史上に残る実績を残したファティ・テリム。その欧州選手権終了直後にガラタサライの監督に就任し、それ以降トルコリーグで3連覇、4年目のシーズンには4連覇がかかっていました。
攻撃的なサッカーを信条としており、ガラタサライでもその方針に基づいて、彼の就任と同時に獲得したハジを中心に据えてその才能を遺憾なく発揮させます。
トルコリーグではベシクタシュJKとの一騎打ちモードになり、最終的に24勝3敗7分で4連覇達成。
トルコカップも決勝でアンタルヤスポルに延長戦まで食い下がられますが、5−3で勝利しトルコリーグとあわせて二冠。
そして、ハイライトはUEFAカップの優勝とCL優勝チームであるレアル・マドリードとのUEFAスーパーカップでの勝利です。 UEFA決勝のアーセナル戦は0-0のPK戦での勝利。スーパーカップも延長までもつれる展開でしたが、2-1でレアル・マドリードを敗ってます。
これらの偉業と、2002年日韓W杯でのトルコ代表が勝ち取った3位という実績により、トルコサッカーの新時代が来たとそう叫ばれたものでありました。
その後の、トルコサッカー界のイマイチっぷりはご承知の通りであります・・・
|