「衝撃のゴザのアジト 戦い抜く冒険者達」〜ゴザ盗賊団討伐隊の19日間〜
文中の敬称は略しております。関係者各位ご了承お願いいたします。
又、レベルやステータス、所属国などはその当時の物になっております。
(3月29日)
「ψ短期ハルベルトメンバー募集」
このスレッドがタワーの10階掲示板に立てられたのは、3月29日19時の事であった。
スレッドマスターはヴェンディ・ダード(Lv.19)。当時、ジグロードに仕官していた彼は、
世界で最初にタワー10階に辿り着き、大聖堂冒険の間に情報を提供していた人物であった。
酒場オーナーor酒場オーナーになっても良いという人物を最優先に、特に条件は問わずに
参加者を募集した。
「経済的な利益よりも、ゴザ盗賊団と剣あるいは拳を交え、初の勝者として名を残したい!」
彼は、募集要項の最後に、こう記して参加者の募集を待った。
そして、最初の日に集まったのはまず2人の人物であった。
農場の同居人なので酒場オーナーは難しいと言っていたシャーン(Lv.16)。
レベルが高すぎて、対戦拒否されるだろうから酒場の建設費用を提供しようと申し出た
ブラックフォックス(Lv.34)であった。
(3月30日)
翌日、募集にメンバーが集まってこない。
そんな中で、光明が一つだけ見えた。
農場に同居しているシャーンが家主(恋人)に許可を得たから一時的に酒場オーナーに
なっても良いと申し出たのであった。
これで、最大の懸案は取り払われたかのように思えた。
(3月31日〜4月1日)
★風牙★による強装備・強消費の原価販売の申し出があった。
実はこの時点では強装備も強消費も必要ないと思われていたのだが、この申し出は後に
意外な効果を発揮する事になる。
また、リクギ(Lv.17)、ルージュ・ミラー(Lv.30)の参加申し出があり、この時点で、メンバーが5人揃う事になった。
(4月2日)
早速、シャーンが酒場を建設。かくて、第一次ゴザ盗賊団討伐が行われる事になった。
なお、この時点では特にチーム名はついておらず、ヴェンディ・ダードが提案していた
「スペクトラルフォース」と言う名前が付けられていた。
「これは案外、行けるかな?」
この時、冒険者達の間に楽観ムードが広がっていた。
だが、当の対戦相手ゴザの一言によって事態は急転した
「わたしは弱い奴としか戦わないんだよ!」
−対戦拒否−
最も恐れていた事が現実化してしまったのであった。
(4月3日)
「心機一転しよう」
少々、気落ちしていた冒険者達であったが、酒場のチーム名を「ゴザ盗賊団討伐隊」と改めて、
再出発の道を歩もうとした。
幸い、すぐに新しい冒険者が参加を表明してくれた。ミュミュ(Lv.23)
を加えた「ゴザ盗賊団討伐隊」は再び、対戦登録に望んだ。
「わたしは弱い奴としか戦わないんだよ!」
再度の登録も拒否されてしまった。
この時、危機感を感じたブラックフォックスは事態の長期化を予想し、シャーンが
携帯ユーザーである事を憂慮し、出来る限りPCユーザーは彼女のサポートに手を
尽くし、無駄なくメンバーの入れ替えをできるようにシャーンにフリーハンドである程度
メンバーの入れ替えの自由度を上げるように提案する。
「ちょっと作業的になっちまうけど、やむをえん。まったりやると時間かけすぎて、
負担になってしまうかもしれんと思ってた」
ブラックフォックスは当時を振り返る。
(4月4日)
阿修羅=飛翔(Lv.17)、コーザ(Lv.23)、エリザヴェンヌ(Lv.14)、と言ったメンバーが参加を表明してくるが、
悉くゴザの低いボーダーラインに阻まれ続け、冒険者達の内部に焦りが募り始める。
この辺りで、とりあえず勝利する事よりも、ボーダーラインの確認作業化に目標が
すり替わり始めるのは仕方ない事であったと、ブラックフォックスは当時を述懐する。
「その時は、ゴザを斬って俺も死ねば、みんな幸せになれますか?(壊」
「(にっこり)ゴザさんを叩き切っていいよー(激マテ←壊」
「・・・殺っちゃえv(邪笑(激マテ 」
当時のメンバーの心境であった。
また、この時期。シャーンが酒場でアイテム欄が3個までに減っていた為に探索で
見つけたアイテムを取得できなかったと言う事件も起こった。
(4月5日〜)
ノリス(Lv.15)、ルビス・スペングラー(Lv.6)、アグニ(Lv.6)、J.K(Lv.15)と登録。
これで、チーム内の最大レベルラインが15まで下がった。
だが、それでも頑なまでに拒否し続けるゴザ。
(4月8日)
「も う ダ メ ポ」
そんな気分になりかかっていた。
だが、冒険者達は諦めなかった。
ロスト・チルドレン(Lv.6)、はくちょう(Lv.9)が参加、又、シャーンやブラックフォックスも裏で
10階掲示板に足跡を残していった冒険者達でレベル15以下の者達に伝言して、
Tearbreaker(Lv.6)ティリス(Lv.14)、等を引き込む事になる。
その結果、
・アグニ(Lv.6) HP:30(+10) 攻撃力:6(+2) 防御力:6(+2)
・Tearbreaker(Lv.6) HP:27 攻撃力:4(+6) 防御力:9(+1)
・ロスト・チルドレン(Lv.6) HP:26 攻撃力:13(+1) 防御力:3(+5)
・ルビス・スペングラー(Lv.7) HP:22 攻撃力:4(+6) 防御力:11(+2)
・はくちょう(Lv.9) HP:23(+10) 攻撃力:6(+6) 防御力:9(+2)
(数字は対戦当時の値で括弧内は盾・装備・消費の補正)
と、全員レベル10未満の編成を組んで登録する事になった。
これで、拒否されたら後がない。
チームの皆がゴザの返答を待った。
返事は「諾」。
第一関門は突破された。(注意:実際にゴザは「諾」などと言うセリフは言ってませんが)
(4月9日)
しかし、対戦はできたものの、結果は散々であった。
ゴザ盗賊団先鋒「ガトンボ」(通称:蚊とんぼ)を倒したのみで、結局、一人抜けしかできない惨敗であった。
「・・・強い。本当に勝てるのだろうか?」
更に追い討ちをかけるように、対戦当日はコロシアムができない事も判った。
ここで、ヴェンディ・ダードは苦渋の決断を示す。
「コロシアム1日できないの痛いので、抜けたい人がいたら遠慮なく申し出てください。」
だが、冒険者達は諦めなかった。
彼等は全員、チーム残留を希望し、ゴザ盗賊団に勝つ為一丸となる事を誓った。
そして、勝つ為の作戦参謀みたいな役割としてブラックフォックスが指名された。
(4月10日)
作戦立案を任されたブラックフォックスは前回の対戦結果ログを睨めている内に
ある事に気づいた。
「全然、ダメージ与えられていない・・・」
致命的なまでにメンバーの攻撃力が不足していた。
だが、そこでブラックフォックスは思った。
「そうだ、攻撃力+5の強装備を5つ揃えて貸せば良いんだ。」
かくて、バックアップ要員として夕梛(Lv.8)を加えた「ゴザ盗賊団討伐隊」に
ブラックフォックスの財力を活かした「プロジェクトGoza」作戦が発動されるのであった。
(4月11日)
そもそも、この強装備5個貸し出し作戦は3月31日の★風牙★の「強装備・強消費の原価販売」
と言う発言が軸に思いついたものであった。
既に発言より11日経っていた。
★風牙★が、そんな事は忘れましたと言えば、スムーズな作戦遂行は中断してしまう。
ブラックフォックスは彼と連絡を取った。
「問題ない」と言う返事が直ぐに返ってきた。
これで、強装備の仕入れは問題なくできる事になった。
問題はまだ残っていた。メンバーのほとんどがアイテム欄が足りないように思えたのだった。
だが、この問題はそんなに手間をかけずに調整された。
ロスト・チルドレンは大農場住まいだったので、アイテム欄に余裕があり
ルビス・スペングラーは本部に加入していたので、アイテムの移管が可能であった。
後の三人に尋ねてみたところ、はくちょうは友人にアイテム譲渡で一時的にアイテムを
預けてもらえると言う事であったので、こんな事もあろうかと緊急用に枠を2つ空けていた
ブラックフォックスの本部にTearbreakerとアグニの2人を登録してこの場をしのぐ事ができた
後は、強装備を譲渡システムで貸していけば良いだけであった。
ブラックフォックスは★風牙★の所から、強装備を買いに行く時このように語っていた。
「まぁ、全員に渡すのに3、4日はかかるかも」
だが、奇跡が起こった。
(4月12日)
特に、連絡とか上手くやり取りしていた訳でもないのに、5人のメンバーに強装備を譲渡するのに
わずか1日で済んだのであった。
「この流れは・・・行ける!」
ブラックフォックスはこの時確信していた。
(4月13日〜14日)
しかし、ブラックフォックスはそれでも慎重に事を運ぶ作戦を取った。
前回の対戦から判断するに恐らく、ゴザ盗賊団は全員、魔法使わず盾装備で
攻撃重視と速度重視で来るろう。
ならば、こちらも盾を使って速度重視作戦を取れば、作戦負けする確率は低い
と言う読みであった。
また、この時までにコーザとティリスの友人リュウコウから、守護1盾をタダで譲るという
申し出があったので、好意にすがる事になった。
この盾は防御がやや高めのはくちょうとルビス・スペングラーに受け取ってもらい。
ブラックフォックスが個人的に持っていた無効*2と守護*2(2つ)を残り三人に
貸す事になった。
この時、ブラックフォックスは思った。
「主戦力は消費アイテム使えば、攻撃力20を超えるロスト・チルドレンさん」
「しかし、彼女は防御が全くないに等しいので、それなら2回物理攻撃を無効にした方が得だ」
こうして、盾の受け渡しも終わり、ヴェンディ・ダードの作戦決行日を決めておこうと言う
提案に従い、盾装備が可能になる15日から1日余裕を持たせて、16日に対戦する事が決まった。
(4月15日)
最終的に翌日の決戦に臨むメンバーは以下の通りであった。
・ルビス・スペングラー(Lv.8) HP:22(+10) 攻撃力:5(+8) 防御力:11(+2)
・Tearbreaker(Lv.7) HP:29(+20) 攻撃力:4(+8) 防御力:9(+2)
・アグニ(Lv.7) HP:32(+20) 攻撃力:6(+8) 防御力:6(+2)
・ロスト・チルドレン(Lv.8) HP:29 攻撃力:14(+6) 防御力:3(+4)
・はくちょう(Lv.10) HP:24(+10) 攻撃力:6(+8) 防御力:10(+2)
(数字は対戦当時の値で括弧内は盾・装備・消費の補正)
決戦を前に静かに闘志を燃やす関係者達。
だが、決戦を前日に控えたこの日、恐るべきアクシデントが起こった。
何と、シャーンが酒場を建設したエリアが大地震に見舞われたのであった。
「ゴザか!?ゴザの呪いか!?」
戦慄する冒険者達。
だが、既に賽は振られている。
彼らも引くわけにはいかなかった。
(注意)実際に大地震が起こった事に気づいたのは、対戦結果ログを確認した16日の朝の事で、15日の時点ではシャーンですら大地震が起こった事に気づいてはいなかった(笑)
(4月16日)
かくて、再度の挑戦が行われた。
ルビス・スペングラーの活躍で先鋒ガトンボ・次鋒ケチャップは倒され、前回の
結果を上回っていた。
だが、Tearbreakerがゴザ盗賊団中堅ビリュを倒した後、出てきた副将カシオペアを見て、
ブラックフォックスは声にならない唸り声を上げてしまう。
「剣魔両立」
全員物理攻撃で来るだろうと言う読みが外れた。
そして、Tearbreakerが倒され討伐隊中堅のアグニが登場した。
彼のHPは守護*2盾の効果で52。だが、カシオペアが魔法を使うとなると
52でも不安かもしれないと思われた。
だが、カシオペアは文字化けしたとしか思えない『殺意の呪い』しか使えなかった。
魔法は捨てている討伐隊には無意味な呪文でしかなかった。
あっさりと、カシオペアを倒し最後に大将のゴザが出てきた。
作戦は「魔法優先」
今度こそ、攻撃系の呪文を使ってきそうな気がした。
そうすると、この後控えているロスト・チルドレンに渡した物理攻撃無効*2の盾は
ほとんど意味をなさない・・・緊張が走る。
だが、奇跡が起こった。
ゴザもやはり「殺意の呪い」と「殺界の呪い」と言う魔法破壊魔法ばかりを連発してくるだけ
であったのだ。
かくて、ゴザの驚異的な防御力を前に22ターンもの激闘に及んだが、
無意味でしかない魔法詠唱が15ターンもあった為に、ジリジリとHPを削られ
最後には、アグニの一撃により倒されるゴザであった。
こうして、最初に結成を呼びかけられてから19日目にして「ゴザ盗賊団討伐隊」の
長い戦いは終わったのであった。
諦めずに闘い続ける冒険者達、そうそれはスペクトラルタワーの中にいました。
冒険者達には夢があった。
その道のりは険しく、何度も壁にぶつかった。彼らは悩み、立ち止まった。
だが彼らは諦めなかった。
そして、彼らはついに「世界で一番最初にゴザ盗賊団を倒したチーム」の栄光を
勝ち得たのであった・・・
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